ユーザーに合った相手を自動で提案する仕組み
ビジネスマッチングサイトでは、登録企業や案件が増えるほど「自分に合った相手をどうやって見つけるか」が重要になります。
そこで活用したいのがレコメンド機能です。
レコメンドとは、ユーザーの登録情報や閲覧履歴、検索条件などをもとに、「この企業はいかがですか?」「この案件もおすすめです」と、ユーザーに合いそうな情報を自動的に提案する仕組みです。
ビジネスマッチングサイトにレコメンド機能を導入することで、ユーザー自身が一つひとつ検索しなくても、自分に関係性の高い企業や案件を見つけやすくなります。
レコメンド(Recommendation)とは、ユーザーの属性や行動などを分析し、その人に適していると考えられる情報やサービスを提案する仕組みです。
身近なところでは、ECサイトの「あなたへのおすすめ商品」や、動画配信サービスの「おすすめ作品」などで利用されています。
ビジネスマッチングサイトの場合は、例えば次のような情報をレコメンドできます。
つまり、サイト内に掲載されている大量の情報の中から、ユーザーにとって有益と思われる情報を絞り込んで提示するのがレコメンド機能です。
ビジネスマッチングサイトでは、登録企業や案件が増えるほど選択肢が増えます。
これはサイトにとって大きなメリットですが、ユーザー側からすると「情報が多すぎて、どこを見ればいいのかわからない」という問題につながることがあります。
例えば、1,000社の企業が登録されていたとしても、ユーザーが必要としているのは、その中の数社かもしれません。
すべての企業を検索して比較するのは大変です。
そこでレコメンドを利用すると、「あなたの条件に近い企業はこちらです」という形で候補を提示できます。
ユーザーが情報を探す負担を減らし、サイト内での企業や案件との出会いを増やすことが、レコメンド機能の大きな役割です。
ユーザーが「Web制作会社」を探している場合、同じ業種や関連する業種の企業をおすすめします。
例えば、「Web制作会社をお探しの方におすすめ」として、Webデザイン会社、システム開発会社、マーケティング会社などを表示できます。
単純に同じ業種だけを表示するのではなく、関連性のある業種まで広げることで、新しいマッチングにつながる可能性があります。
ユーザーが登録したプロフィール情報を利用する方法です。
例えば、
などの情報をもとに、条件に近い企業や案件を表示します。この方法は、ビジネスマッチングサイトとの相性がよいレコメンド方法の一つです。
ユーザーがどの企業や案件を閲覧したのかを利用する方法です。
例えば、ユーザーが複数の「食品関連企業」を閲覧している場合、「こちらの企業もおすすめです」として、同じカテゴリーの企業を表示します。
ユーザーが明確な検索条件を設定していなくても、サイト内での行動から興味のありそうな情報を提示できるのが特徴です。
過去にマッチングした企業や問い合わせを行った企業の情報を分析し、類似する企業をおすすめする方法もあります。
例えば、以前に製造業の企業とマッチングしたユーザーに対して、同じような条件を持つ別の企業を紹介するといった使い方です。
レコメンドにはいくつかの考え方があります。
あらかじめ設定した条件に基づいておすすめする方法です。
例えば、
「ユーザーの業種と同じ企業を表示する」
「希望エリアが一致する企業を優先する」
といったルールを設定します。
比較的わかりやすく、サイトの目的に合わせて細かく調整しやすい方法です。
ユーザー同士の行動パターンを利用する方法です。
「この企業を見たユーザーは、こちらの企業も見ている」
といったデータを利用して、関連性の高い企業や案件をおすすめします。ユーザー数や行動データが蓄積されるほど、活用しやすくなる方法です。
AIや機械学習を利用して、ユーザーの属性や行動、企業情報などを分析し、より複雑な条件からおすすめを決める方法もあります。
ただし、「AIを導入すれば必ずマッチング率が上がる」というわけではありません。
まずは、サイトの目的やユーザーが求めている情報を整理し、どのデータを使っておすすめするのが適切なのかを検討することが重要です。
レコメンドとマッチングは似ていますが、役割は少し異なります。
マッチング機能は、ユーザーが設定した条件などをもとに、双方の条件が合う相手を探すことが中心です。
一方、レコメンド機能は、ユーザーの情報や行動などをもとに、「興味がありそうな情報」を積極的に提案することが中心です。
例えば、「北海道・製造業・食品関連」という条件に一致する企業を検索するのがマッチング。
「あなたが最近見た企業と似ている企業はこちら」と提案するのがレコメンド。
というイメージです。
両方を組み合わせることで、ユーザー自身による検索と、サイトからの提案の両方からマッチングの機会を作ることができます。
レコメンドは便利な機能ですが、導入すればそれだけで効果が出るわけではありません。
特に重要なのがどの情報を利用しておすすめするかです。
例えば、単純に「同じ業種」というだけでおすすめ企業を表示すると、ユーザーにとってはあまり興味のない企業ばかり表示される可能性があります。
また、登録情報が少ないサイトの初期段階では、十分なデータを集められない場合もあります。
そのため、サイトの立ち上げ当初はルールベースのシンプルなレコメンドから始め、ユーザー数や利用データが増えてきた段階で、より高度な仕組みに発展させるという考え方もあります。
レコメンド機能では、何をおすすめするかだけでなく、なぜおすすめされたのかをわかりやすくすることも大切です。
例えば、「登録した業種と一致しています」
「希望エリアが一致しています」
「過去に閲覧した企業と類似しています」
などの理由を表示すると、ユーザーはおすすめ情報を理解しやすくなります。
単に企業を並べるだけではなく、ユーザーが納得して次の行動を取りやすい仕組みにすることがポイントです。
ビジネスマッチングサイトは、登録企業や案件が増えるほど価値が高まる一方で、情報量が増えることによって「探しにくさ」という問題も生まれます。
レコメンド機能は、この問題を解決するための有効な手段の一つです。
最初から複雑なAIレコメンドを導入する必要はありません。
まずは、
登録情報 → 条件に合う企業を表示
というシンプルな仕組みから始め、利用者が増えたら、
閲覧履歴 → 興味のありそうな企業を表示
さらにデータが蓄積されたら、
ユーザーの行動やマッチング実績などを分析 → より精度の高いおすすめを表示
というように段階的に発展させることもできます。
ビジネスマッチングサイトにおけるレコメンド機能は、ユーザーが自分に合った企業や案件を見つけやすくするための重要な機能です。
登録情報、検索条件、閲覧履歴、過去のマッチングなど、サイト内に蓄積されるさまざまな情報を活用することで、ユーザーごとに異なるおすすめを表示できます。
ただし、レコメンドは「AIを入れること」が目的ではありません。
サイトのユーザーが何を求めているのか、どのようなマッチングを増やしたいのかを考えたうえで、適切なレコメンド方法を設計することが重要です。
ビジネスマッチングサイトを構築する際には、検索機能やマッチング機能だけでなく、ユーザーがサイト内で情報を探しやすくする仕組みとして、レコメンド機能も検討してみるとよいでしょう。