設定方法と注意点を解説
ビジネスマッチングサイトを運営していると、「同じような内容のページが複数のURLで表示される」ケースがあります。
例えば、企業を検索するページで絞り込み条件を指定すると、
のように、URLが次々と増えていくことがあります。
検索機能は、ユーザーにとっては便利な仕組みですが、SEOの観点では注意が必要です。
このようなときに活用されるのが、canonicalタグ(カノニカルタグ)です。
この記事では、canonicalタグの基本から、ビジネスマッチングサイトでの具体的な活用方法、設定時の注意点まで分かりやすく解説します。
canonicalタグとは、検索エンジンに対して「このページの代表となるURLはこのURLです」と伝えるためのHTMLタグです。
正式には「rel="canonical"」という記述を使います。
例えば、次のように記述します。
<link rel="canonical" href="https://example.com/company" />
この場合、検索エンジンに対して、
「このページと似たページがあったとしても、代表URLとして https://example.com/company を扱ってください」と伝えることができます。
canonicalタグは、ユーザーの画面に表示されるものではありません。WebページのHTML内に設定するため、通常のユーザーがページを見ただけでは確認できません。
ビジネスマッチングサイトでは、一般的な企業サイトと比べてページ数や検索条件が多くなりやすいという特徴があります。
例えば、
など、さまざまなページが存在します。
さらに、検索機能を実装するとURLにパラメータが追加されることがあります。
例えば、
/company?area=tokyo
/company?area=osaka
/company?industry=manufacturing
/company?industry=it
といったURLです。
これらが増えすぎると、検索エンジンが「どのURLを検索結果に表示するのが適切なのか」を判断しにくくなる場合があります。
canonicalタグを適切に設定することで、検索エンジンに優先して評価してほしいURLを伝えることができます。
ビジネスマッチングサイトでは、検索や絞り込みによってURLにパラメータが付くことがあります。
例えば、
/company
/company?keyword=web
/company?keyword=web&area=tokyo
などです。
検索結果を表示するために必要なURLであっても、SEO上はすべてのURLを検索エンジンに評価してもらう必要がないケースがあります。
その場合、代表となるURLをcanonicalで指定する方法があります。
ただし、すべてのパラメータ付きURLを無条件に元ページへcanonicalすればよいわけではありません。
例えば「東京都のIT企業」というページ自体をSEOで集客したいのであれば、そのURLを独立したページとして扱う設計も考えられます。
サイトの目的に応じて判断することが重要です。
システムの仕様によっては、同じ企業情報が異なるURLから表示されることがあります。
例えば、
/company/123
/search?company_id=123
/company/detail/123
などです。
実際のページ内容がほぼ同じであれば、検索エンジンにとって「どれが正式なページなのか」が分かりにくくなる可能性があります。
このような場合、代表URLをcanonicalで指定することを検討します。
ビジネスマッチングサイトでは、登録企業や案件が増えるにつれて、似たページが増えることがあります。
例えば、「Webサイト制作」というカテゴリに、
と多数の案件が登録されるケースです。
それぞれの案件ページ自体は別のページですが、掲載内容が似ていると、ページ同士の差が小さくなり、検索エンジンから重複コンテンツとみなされてしまうことがあります。
ただし、ここで注意したいのは、自身のURLをcanonical設定したとしても、必ずしも効果はないということです。
それぞれがユーザーにとって異なる価値を持つページであれば、文章の使い回しを避け、個別ページとして適切に作り込むことが重要です。
canonicalは、あくまでも「同じ、または非常に近い内容の複数URLについて、代表URLを検索エンジンに伝える」という目的で使用します。
canonicalタグと混同されやすいものに「301リダイレクト」があります。
どちらもURLを整理するときに使われますが、役割は異なります。
canonicalタグは、複数のURLが存在する状態で、代表URLを検索エンジンに伝える方法です。
ユーザーがアクセスしたURL自体は、そのまま表示されます。
301リダイレクトは、あるURLから別のURLへユーザーを移動させる方法です。
例えば、古い企業ページを新しい企業ページへ完全に移行した場合などに利用します。
つまり、「このURLも存在するけれど、代表はこちら」と伝えるのがcanonical、
「このURLは今後使わないので、こちらへ移動してください」という場合に使うのが301リダイレクト、
と考えると分かりやすいでしょう。
canonicalタグは便利な仕組みですが、設定を間違えるとSEOに悪影響を与える可能性があります。
あたりまえですが、企業Aのページなのに、企業Bのページをcanonicalに指定するなど、関係のないURLを指定しないようにします。
canonicalタグは画面上で確認できないので、ページ内容とcanonical先の内容が適切に対応しているか確認することが重要です。
「SEOを整理したいから」という理由で、すべてのページを代表ページにcanonicalするのも適切ではありません。
例えば、
/company/a
/company/b
/company/c
という3社の企業ページがある場合、それぞれが独立した価値を持つページであれば、それぞれを個別ページとして扱うべきです。
むやみにcanonicalを設定すると、企業ページを検索結果に表示させたいという目的と合わなくなってしまいます。
また、canonicalで指定するURLは、実際にアクセスできるページである必要があります。
といったURLをcanonicalに指定するのは避けましょう。
canonicalタグは、サイトが完成してから後付けで考えるよりも、サイト構築の初期段階から設計しておくことがおすすめです。
特にビジネスマッチングサイトでは、
「企業ページ」
「案件ページ」
「検索結果」
「カテゴリ」
「地域」
「絞り込み」
など、多くの種類のURLが存在します。
サイト公開後にURL構造を大きく変更すると、SEOだけでなくシステム側にも影響が出る可能性があります。
そのため、要件定義やURL設計の段階で、
「このページは検索エンジンに登録させるのか」
「同じようなページが生成されないか」
「代表URLはどこなのか」
を検討しておくと安心です。
canonicalタグはSEOに役立つ重要な仕組みですが、設定すれば検索順位が上がるというものではありません。
SEOでは、
など、さまざまな要素を総合的に考える必要があります。
canonicalタグは、その中でも「検索エンジンに、どのURLを代表として扱ってほしいかを伝えるための技術」と考えるとよいでしょう。
ビジネスマッチングサイトでは、企業・案件・サービスなどの情報が増えるにつれて、多数のURLが生成されます。
特に検索機能や絞り込み機能を実装すると、URLパラメータによって似たページが大量に発生することがあります。
canonicalタグを適切に設定することで、検索エンジンに代表URLを伝え、URLの重複による問題を整理しやすくなります。
ただし、すべてのページを一律にcanonicalするのではなく、「どのページを検索エンジンに評価・表示してもらいたいのか」を考えて設計することが重要です。
ビジネスマッチングサイトを新しく構築する場合は、デザインや機能だけでなく、URL設計やSEOを含めたサイト構造まで考えておくと、公開後の運用がしやすくなります。